| Himiko |
ホロスコープ拝見して最初に思ったのが感受性。情感豊かな方だなあって。 |
| 鴨居まさねさん |
え? そうなんですか?(笑) |
| Himiko |
二面性があるんですよね。もうすっごいロマンチストで「やっぱり誰かに頼りたくて、頼らないと生きていけないわ」って思う鴨居さんもいれば、「いや、でもそういう振りしてるだけなのよね、私」みたいな鴨居さんもいて。多分そのミックスされたものが眉子ちゃんとかになってるのかなって。 |
| 鴨居まさねさん |
なんか……どうなんでしょうね? 私自分のこととかけっこうわからないんですけど、一番ネタにできるのが自分の気持ちとか自分の体験じゃないですか。漫画描き始めるまで、そんなこと考えたこともなくて。それまで私、自分のこととかって占いもしたこともないし関心がないというか……。でも今の仕事始めたら、なんでもがつがつと興味津々で……。 |
| Himiko |
ホロスコープなんですけど。鴨居さん、幸運の星が天上に輝いているときに生まれたんですよ。ちょうど月が西に沈もうとしているところ、で、夜8時だから、夜空にはこの星と大きな木星と月が非常に美しく見えていたと思うんですね。だからそういったすごくなにか起こりそうな予感がするときに生まれてるんですよ。 |
| 鴨居まさねさん |
多分1ヶ月近く早産で生まれてるんですよ。だから予定日と全然違ってて。4月1日に九州地方って大きめな地震があったらしくって。それで急に3日に生まれたみたいなんですよ。 |
| Himiko |
やっぱりびっくりするとそういうことってあるみたいですね。……あとすっごくいいなって思ったのが、魚座。魚座ってすごく可愛くってロマンチストでふわふわしていて夢見がちな星座なんですけど、そこに愛情を示す星と思考能力を示す星が完全に一緒にいるんですね。同じ度数で。 |
| 鴨居まさねさん |
これですか?(ホロスコープを見ながら)
|
| Himiko |
ええこれです。だから鴨居さん、自分がわからないっていうのは、ご自分の中にいっぱいの鴨居さんがいらっしゃるんからなんですよ。「これが鴨居さん」っていうのはないかもしれない。ご自分の中でも「あるときは私はこうだし、でもあるときはこうだし、でも、この人に対してはこうだし」って……。 |
| 鴨居まさねさん |
履歴書とかに長所短所とか書くところあるじゃないですか。あれが書けないんですよね。長所短所性格とかがわからなくて。 |
| Himiko |
そうだと思うんですよ。これひとりの人? って感じになっちゃうんですよね。でもそれが鴨居さんの漫画につながっているんだなあって。 |
| 鴨居まさねさん |
3歳から。実は、2歳くらいから姉がバレエしているところへ行く度に、ひとりで踊っていたらしいんですけど。先生にもう少し待つように言われて。 |
| Himiko |
先生ストップがかかったんだ(笑)。 |
| 鴨居まさねさん |
それすごく思います。あの……各キャラクターっていうのは、バラバラだけど自分なんですよ。ほとんどが。モデルの方っていうのもいるんですけど、書いているうちに自分が混ざっていったりとか。 |
| Himiko |
鴨居さんの漫画ってストーリーを追うよりはその内面の世界をすっごく表現していて……。 |
| 鴨居まさねさん |
あの……読んでて下さったんですか? |
| Himiko |
ええ読みましたよ。 |
| 鴨居まさねさん |
ありがとうございます。 |
| Himiko |
言葉ひとつひとつがドラマって言うか、それがすごいなあって思って……。漫画の方を先に読んでますから。それでその後、ホロスコープを見て、「だからなんだあ」みたいな。 |
| 鴨居まさねさん |
そこ納得されるところなんですか? |
| Himiko |
ええ納得しましたよ。魚座のこの部分と、あと双子座ってところの月もなんですけれど。双子座って言うのは感性の星で、これも二面性を持ってるんですよ。ですからものすごく多重性を持っていらっしゃる方なんですよね。登場人物がみんな、ご自身の分身でいらっしゃるからリアリティーがあって。だから読者の方も読んでいて、鴨居さんの言葉に魅かれるんだと思います。 |
| 鴨居まさねさん |
それは一番うれしいですね。
|
| Himiko |
月並みだと思うんですが、漫画家さんになられたきっかけは? |
| 鴨居まさねさん |
きっかけはデザイン学校を出て……大阪の服飾の学校なんですけど、アパレルのデザイナーやってて、3年たって辞めて。なんとか食べなきゃいけなくて、生活費を稼ごうと思って応募したらデビューが決まったんですよ。 |
| Himiko |
え? でもそれまできっと描かれてたんですよね? |
| 鴨居まさねさん |
描いてなかったです。下積みもなく描き方の基本もわからないままデビューしたんで、それからが地獄のようで……『YOUNG YOU』って雑誌の新人賞でデビューして、そこで十数年書いてたんですけど、本当にひたすら「勘」とか「縁」とか「運」とかのおかげなんですよ。デビューはスムーズでも、先に苦しむか後で苦しむかの違いで、同じことですね。 |
| Himiko |
じゃあ漫画家になるっていう感じは全然なかった? |
| 鴨居まさねさん |
いやでもあの……中学くらいのときは漫画家にはなりたかったんですよ。でも描いても絶対無理だろうと思ってあきらめてて、絵はずっと描けてたんで、そしたらデザイナーの方が現実的じゃないですか。専門学校行って手に職つければ就職口はあるだろうって、なんか食いっぱぐれがない気がしたんで、一応堅実な方を親も望んでたいましたし……。 |
| Himiko |
そういうとこってここですよね。火星が牡牛座になってて、現実主義なんですよ。
|
| 鴨居まさねさん |
そうなんですよ。すごく現実的に手堅くいったのに、6年ぐらい遠回りして結局漫画家になってる。なら最初からやればよかったって思ったんですけど。……うち親が漫画嫌いなんですよ。今は応援してますけど、最初は隠して描いてたんで。 |
| Himiko |
描きにくかったでしょう。 |
| 鴨居まさねさん |
それでもデビューする前はOL辞めて1年間、なんもしないでプー太郎状態だったんで、もう家出てましたし、自分でOLのときの貯金とか食いつぶしながら、「とにかく一年以内にイラストの賞でもなんでもなんかとるから、それまでは黙っといてくれ」ってお願いして、1年間時間もらってたんですよ。1年かからずにデビューしたんですけれども。 |
| Himiko |
びっくりしたでしょうねえ。 |
| 鴨居まさねさん |
親には言いませんでした。「なんらかの賞には入りました。イラストとか。」って嘘ついて。
|
| Himiko |
言いにくい? やっぱり。 |
| 鴨居まさねさん |
でもほら言ったら、漫画の雑誌読んじゃうじゃないですか。だからペンネームとかも本名とは、かけ離れたありえないペンネームにして。親に見つからないように……。で、2年後くらいにカミングアウトしたんです。単行本が出ることになったんですよ。単行本が出たら買ってもらわなきゃならないんで、身内票を……っていうか親にも買ってくれって事で話したんですけれども。 |
| Himiko |
けっこうあの努力っていうか……涙の努力ですよね。で、今デビューされて。 |
| 鴨居まさねさん |
93年デビューなんで……13年ですかね。今がすごく……なんていうんですかね。今月の仕事からすごい今までやったことない仕事するんでそれが楽しみであり、苦しいっていうか。 |
| Himiko |
ホロスコープって12進法みたいなところがあって、12っていうのがひとつの宇宙になってるんですね。星座も12だし、星は10なんですけれども、ハウスっていうのも12なんです。木星がその年の運勢をつかさどっているんですが、だいたい12年かけて戻ってくるんです。だから13年目っていうのは、ちょうどスパイラルみたいな感じに上がるところなんです。だから今新しい仕事をやっているってことは、すごく順調なんだってことなんですよ。 |
| 鴨居まさねさん |
順調なんだかなんだかわからないんですけれど、3年くらい仕事ほとんどしてなかったっていうか減らしてたんですね。ここ3年くらい。で、神戸に戻ってたんですけれども、また今年1月に東京に戻ってきたんですよ。 |
| Himiko |
なんか新しい発見とかありました? |
| 鴨居まさねさん |
う〜ん。東京は東京でいいとこあるし、あんまり神戸にこだわりなかったんですけれども、大人になって帰るとああいいとこなんだってわかったし。ただ仕事は出来ませんよね。
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| Himiko |
わかります。スピードが違うから。 |
| 鴨居まさねさん |
もうのんびりだらけちゃうっていうか、ほのぼのしちゃうんですよ。 |
| Himiko |
とくにそれで、ねえ家族と一緒とかなると、ホントになんかね。食事にテレビの生活になっちゃいますよね。 |
| 鴨居まさねさん |
私、家で仕事するんで、ほんとに家が楽しくなっちゃうと仕事する気なくなっちゃうんですよね。
いわゆるオンとオフの切り替えが出来なくて。で、東京来たらと東京来たで仕事一辺倒になっちゃうんですよね。もう家の中が仕事場みたいになっちゃって。仕事部屋を別に借りれるぐらいの人が成功した人なのかもしれないですけど、東京の家賃ではそれができなくて。たまにでも神戸に帰れると、まだいいんですけど。 |
| Himiko |
今は忙しくて? |
| 鴨居まさねさん |
今月は久しぶりに帰りました。4.4キロのネコをかついで(笑)。 |
| Himiko |
4.4キロ……でもまだいいですよ。 |
| 鴨居まさねさん |
いやでもまだ8ヶ月ですから。 |
| Himiko |
ええ〜っ! 8ヶ月で4.4キロ。 |
| 鴨居まさねさん |
2歳3歳ならいいんですけど、大きい種類ではあるんですけど、「でかくなりすぎだよ」みたいな。猫、ガマンしてたんですけれどもずっと飼いたくって、東京戻ってペット可の物件を探して……。 |
| Himiko |
ここなんだよね。寂しがりやのところがね。 |
| 鴨居まさねさん |
ひとりで楽しめそうなんですけど |
| Himiko |
寂しがりやのところがここなんです。「やっぱり寂しいなあ」って思っちゃうのが魚座の金星と水星なんですよ。 |
| 鴨居まさねさん |
あははははは。寂しくて駄目なときは全然駄目だったんですけれど、猫を飼い始めてから全然平気になりましたね。
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| Himiko |
やっぱりちょっとそばにいるだけで全然違いますよね。そんなに手間かかるわけじゃないし、なんかちょっと距離を置いて座ってるってところがいいんですよね、猫って。なごみますよね。 |
| Himiko |
小さい頃の夢なんですけど、学生時代漫画家さんになりたかったっていうのはさっきおっしゃってましたけれども。 |
| 鴨居まさねさん |
漫画家さんを尊敬しすぎてて自分になんかできないって思ってて。スタートして出来なかったわけではなく、服飾の方に堅く行こうと思ってそっち向いてたんです。 |
| Himiko |
へえそうなんですね。もっと小さい頃、よくみんなたとえばみんなお花屋さんとかバレリーナとかなりたいっていうのあるじゃないですか。そういうのは……。 |
| 鴨居まさねさん |
やっぱりお花屋さんにはなりたかったですね。5歳ぐらいまでの話ですけど。華道やってたもので。で、もうちょっと大きくなると……親戚が教師なんですよ。そしたら学校の先生って恩給がもらえるって聞いて。私はエレクトーン習ってましたし、中学高校ブラスバンド部だったもので、このまま音大に行って先生になって恩給もらおうとかと。勉強ができなかったんで先生には程遠かったんですけれども。 |
| Himiko |
いやでも音楽の先生ですよね? 私、音楽の大学いったんですけれども、英語と国語と社会だけでしたよ? |
| 鴨居まさねさん |
でも英語ができないんですよ。 |
| Himiko |
でもそんなすごいことは要求されませんでしたよ。国公立だと共通一次とかありますから必要でしたけど……。 |
| 鴨居まさねさん |
そっ……そうだったのか。けっこうその……あきらめがよすぎるっていうか、最初から調べもせずにぱんぱんってあきらめちゃって。 |
| Himiko |
でもそれで今の鴨居さんがいるわけだからねえ。 |
| 鴨居まさねさん |
今となったら今の仕事だとOLとか回り道したのもすごく役立ってて。さっきお話した華道も今になってみると、現実的な面で役に立つんですよね。空間デザインじゃないですか。色とか空間の奥行きとか……。この仕事を始めてからとくに「無駄なことって何ひとつないな」と思うようになりましたね。「バカもハサミもコンプレックスも体験も使いよう」なんですよ。ものを見る方向はいくらでもあると思うんです。たとえば私のように漫画家だとすると「興味のあることを描く」と思いがちなんですけど、「興味のないことを描く」こともできるんですよね。 |
| Himiko |
興味のないこととおっしゃると? |
| 鴨居まさねさん |
「結婚」(笑)! まわりはいろいろ言いますけど、私どうしても「結婚」や「結婚式」に興味を持てなかった。 |
| Himiko |
でも『SWEETデリバリー』ってたしか、オリジナルウェディングの会社が舞台ですよね? |
| 鴨居まさねさん |
はい。『SWEETデリバリー』って漫画を描いたのは「どうして自分が興味持てないことをみんながあれほど興味を持つのか」に興味を持ったからでした。 |
| Himiko |
それで壁にぶつかることとかってありません? |
| 鴨居まさねさん |
年がら年中ずっとですよ。今まで描いていないものを書こうとすると毎回目の前がなんかもうグレーのコンクリートの壁みたいな感じで、「出ない出ない出ない出ない……」って。でもそこを乗り越えないととりあえずなんにもないから、がんばらないと(笑)。 |
| Himiko |
そうですね。今はとくになにか悩んでらっしゃることとかは? |
| 鴨居まさねさん |
仕事では別に……私生活かな。今『YOUNG YOU』って雑誌がなくなったんで、『YOU』っていう雑誌でお仕事しているんですけど、かなり舞台が違うって言うか、読者層が違うんですね。主婦層がメインターゲットの漫画雑誌なんで、私はまだ主婦でもなければ子育てもしてないんですけど、取材したりとか自分が子供だったときのこと想像したりとか、手を変え品を変えやってるんですよ。そうやってお話を描きながら最近思うんですけど、このまま独身なのはいいんですが、年齢的に子供欲しいんですよ。出来なきゃ出来ないで仕方ないんですが。 |
| Himiko |
子供運……子供運はすごくありますけどね。 |
| 鴨居まさねさん |
私子供すごい好きなんですけど。 |
| Himiko |
子供を表す部屋に感性の星がふたつあるので、男の子と女の子とか。すごい子煩悩になるだろうなっていうのがありますけどね。多分仕事しなかったらすごくいいママになってると思うんですけど、今子供が仕事になってるんだと思うんですよ。運気的には……今ちょうどねえ、仕事がのってるところで……。 |
| 鴨居まさねさん |
うれしいことなんですけどね(苦笑)。 |
| Himiko |
ちょうどほんとに一巡してきたところだから。これはインスピレーションの星なんですけど、幸運の星がダイレクトに来てるんですね。だからけっこう新しいものが浮かんで来やすいときじゃないかと思うんですよね。……ちょっと私思ったんですけど、小説も考えてみられるといいんじゃないかと。 |
| 鴨居まさねさん |
小説? 私が小説……私、最初なんで漫画が描けなかったかって言うと、お話になんだかすごいコンプレックスがあって、作れないと思ってたんですよ。十何年やってたらけっきょくいろいろお話作ることになって、お話作れるんだなあって思って……。 |
| Himiko |
あのたとえば何年かのストーリーじゃなくてもいいと思うんですよ。小説とかいってもさまざまで、あとNHKの連ドラみたいな生まれたときからおばあちゃんになるまでの話っていうのもあると思うんですけど、でも多分鴨居さんのキャラクターにあった新しい小説みたいなのができるんじゃないかって。わたしはすごくそれを感じたんですね。 |
| 鴨居まさねさん |
どれくらいの歳からすればいいとかってあるんですか? |
| Himiko |
そうですね。今準備段階に入ってるんだと。で、5年目くらいからそうなってくるんだと思うんですよ。 |
| 鴨居まさねさん |
へえ、今2006年ですよね、2010年……。でもそういうの楽しそうですね。考えた事なかったですけど。私、学生の頃から腱鞘炎なんですよ。で、3年休んでたんでそれもあって、続けて描けないんですよ。手が悪くって。なかにはパソコンで台詞だけ打って下書きする人もいるんですよ。「それやったら」って言われてるんですけど、まだやれないんですよね。うまく。 |
| Himiko |
小説だったらパソコンでねえ。 |
| 鴨居まさねさん |
そうなんですよね。『家出のじかん』で初めてあとがきで文章書いたんですよ。たった2ページを5分くらいで締め切りのあとにだーっと書いたんですけど、けっこう楽しいんですよね。文章って。 |
| Himiko |
そうでしょう。やっぱり向いているんだと思いますよ。 |

鴨居さん直筆サイン入り著書「オぉジョオします」、「家出のじかん」を
各1名様にプレゼントいたします。
いずれも、感受性溢れる鴨居さんならではの、あたたかい作品ですよ。
「家出のじかん」は彼女初の取材マンガ。写真も交えつつ、思わず顔が
ほころんでしまう、癒し系な作品です。
◆応募期限:10月31日(火)
当選された方には、メールにてご連絡させていただきます。