| ●八卦は世界を表わし、易経は天命を明かす これまで中国最初の世界地図とされていたのは、中国清朝の康煕年間の「坤輿全覧圖」でした。しかし最近の研究によって、これは更に二、三百年も遡る明朝・永楽年間時の絵を基に描かれていることが分かったのです。 15 世紀初頭の鄭和による南洋遠征時に描かれた絵です。鄭和は当時すでにアメリカ大陸までも訪れており、コロンブスの新大陸発見よりも数十年も早いことになります。 しかし実は、六千年以上前の伏羲(ふぎ・牧畜を広め八卦を作ったとされる)の時代に、既に完全な「世界地図」が描き出されていたのです。 図をご覧ください。なぜか古代から受け継がれた八卦が、現代の世界地理に対応しています。乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤という八方位の気の意味を表わす文字と中央を象徴する「太極」(中央という意味と同時に、ものごとを生み出すという意味を持つ)。 たとえば、アジアを中心にして全世界をまず八方位に分けてみます。そこに八卦を順番通りに割り当てます。すると八卦それぞれの意味と世界各地域の特徴が符合するのです。極寒のシベリアは「乾」、アジアにくっついたように位置するヨーロッパは「兌」、アフリカとヨーロッパ二つの陸に挟まれた地中海は「離」、人類発祥の地アフリカは「震」、カナダとアメリカという二国があり共に他人種多言語の北米は「巽」、南北アメリカの中間にありその両側を海に挟まれたようにある中米は「坎」、南米は「艮」、地球の南に孤立してある南極大陸は「坤」。そして、太極つまり中央はアジア太平洋地域なのです。 と言っても、これだけでは、みなさんにはまだピンと来ないかもしれませんね。これから何回かにわたって星や風水についてお話していきますが、その中でも折に触れて「易」の考えが出ると思います。それは諸学術の基本に「易」があって、星や風水など一種の形而上学的な世界観とは切っても切り離せないものだからです。易とは、実は天文と地理の観察から生まれたものです。私たちの社会がどんなに進歩発展しても、この地球上の存在である限り、頭上には太陽や月や星が、足下には大地があり続けます。その限りに於いて、ある一定の大自然の法則の中に生きていくのではないでしょうか。その法則を言葉として伝えているのが「易」なのです。ですから、いわゆる現在の西洋占星術のようなものでさえも「易」と繋がっていて相互補完の関係にあるとも言えます。 古代に書かれた易経を単に読み下しにするのではなく、どのように読み解けば裏側に込められた真義があらわれるのか、それが現在の私たちの体・心・社会・世界にどう符号関連するのか……、非常に面白い内容なのですが、これは後日の機会に譲りましょう。いずれにしても「易」は、単なる古文書また古臭い教訓話などではなく、無言の大自然と実際の私たちの生活をつなぐもの、あえて喩えればコンピューター上のOSのような存在なのです。易(大自然の形而上的法則)を伝える書である「易経」。もしこの「易経」を深く読み解ければ、人間や世界や天命について理解がより深まり明白となるのです。 |