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黄老師のちょっと辛口アジアンコラム
黄 家騁
黄 家騁

リアルでとても勉強になる黄老師のコラムです。

毎月テーマを変えて、連載でお送りいたします。

今月のテーマは、「万里の長城にこめられた「大地之龍」の秘術」をお送りします。
「万里の長城」の説明や「大地之龍」についてなど、とても勉強になるコーナーです。

  万里の長城にこめられた「大地之龍」の秘術  (3)


latest update 2006/07/21


風水に潰された秦朝

 

 万里の長城の風水と、あるいは秦朝の滅亡との関係が感じられる話が今に伝わっています。それは、当時、万里の長城建設にために夫がとられて何年も帰らない孟姜女という女性がいました。彼女が夫に会うためにいくつもの山々を越えて山海関というところまで辿り着いた時はじめて、夫が既に死んでいることを知り、秦を恨み、そして天を仰いで泣いたといいます。すると、天はそれに感じたかのように黒雲が沸き、大風が吹き、大地が裂け、長城の一部が崩れ、そこから亡くなった夫の遺体が出てきたのです。彼女は夫の遺体を抱いて渤海湾に身を投げた、という話です。

 

 さて、今あらためて検証して見ると、この孟姜女という女性は実在したものの、実はもっと古い時代の人なのです。さらに、渤海湾の山海関とは万里の長城の先端に位置していて、まさに巨龍の頭に当たるところです。風水としての龍脈の最も大事なところでもあります。ここに問題があれば万里の長城全体の風水に影響が出ます。すると、これは当時の反秦朝勢力の軍師らが龍の頭を破壊したことを伝えていると考えられるのです。実際、ほどなく始皇帝は死に、大混乱が始まり、秦朝も滅んでしまいました

 


 

最古の風水戦争

 

 さて、中国で初めてこの「大地之龍」という力を使いこなしたのが、今から五千年前の黄帝(軒轅氏)です。黄帝は中国では漢民族の始祖として、また養蚕・文字・音律・医学・算数などの制定をした存在としてあがめられる存在です。

 

 その黄帝が炎帝(神農氏)と戦った際に用いたのが「指南車」(初期の羅盤)でした。自らが考案した指南車を用い、更に「風水」の術を施し、ついに炎帝を破りました。炎帝の配下の蚩尤という空を飛び断崖絶壁を走るという超能力を持った怪人一族が黄帝に戦いを挑んでくると、黄帝は蚩尤の進攻を防ぐために、應龍(空中を飛ぶ物体)を派遣、更に大量の水を集めて「火神」である蚩尤軍隊を迎え撃ったのです。蚩尤は敗れたものの、風伯雨師に依頼して大風大雨を使って黄帝に対抗し、ついに黄帝を破りました。すると黄帝は、火と風雨を操ることができ自分の娘でもある魃に頼み……。ここに登場する「風伯雨師」とは、古文献に記載されている気象観測員のことです。その後の周・秦・漢の時代にも風伯・雨師は活躍しており「龍師」や「龍史」と呼ばれていたのです。実は、気象制御つまり龍神(自然のエネルギー)が生み出す力を操っていた彼らこそが、後の「国師」、「気象官」、そして「風水師」なのです。

 

 この黄帝と蚩尤の戦いは、中国史上に初めて見受けられる風水戦争です。この戦いの中で黄帝は「奇門遁甲」と「風水」(戦争の為の兵法風水)の秘術を編み出したとも言われています。いずれにしても、一つの真実は龍(風雨、風水)をよく操れる者が天下をも操れるということです。だからこそ「風水」が国家の興亡を決定する一大テクノロジーとして影響力を持ち、戦争の行方を左右し、歴代の朝廷や国家の栄枯盛衰を陰から影響を与え、中国の歴史を大きく動かし続けてきたのです。

 


 

歴代王朝と陰の風水秘史

 

 夏の王朝を建てた禹王は、「水龍」という大地の巨大なエネルギーを操り、殷を破り周朝を建てた文王武王の軍師・呂尚は「奇門術法」と「風水秘術」で天気を変え風を起こし砂石を飛ばして殷の大軍を破り、そして秦朝では始皇帝が万里の長城で大地之龍を操ろうとしました。漢や魏蜀呉三国もその盛衰は風水によるものでした。

 

 中でも、天才術数家・諸葛孔明はその風水術数を駆使して、有名な天下三分の計略を成功させたのです。当時、魏国は北方に山龍そして黄河という水龍、さらに万里の長城など(全てが山龍や水龍としてのエネルギーを持っている)を掌中に収める大国で、呉国は長江という水龍と南方の山龍をたずさえ、ともに天下の覇権を唱えるのに不服のない器量でした。比して、孔明が宰相を務める蜀国は、魏と呉という二つの大国に挟まれ、勢力も最も弱いものでした。この情勢下で、孔明は天下三分の計を成功させ、三国の均衡状態を維持させ続けることに成功しました。その秘密は、この蜀という小さな地にこそあったのです。実は驚くべき事に、この蜀(今の四川省)に中国のほぼ全ての山龍や水龍の源流が集まっているのです。つまり、蜀の地を押さえただけで、魏国と呉国の山龍と水龍をコントロールできるということです。

 

黄 家騁(こう・かてい) プロフィール 

易経学会常務理事兼易学主任講師、『易学月刊』編纂、中国医学研究所副教授、華岡伝統医学会副会長、AFA研究員ほか。古来、中国伝統諸学の筆頭に挙げられる易経を十代の頃より教え始め、その後、星象学や風水などを含め30数年に亘り教えている。著書には『易學堤要』、『易學與醫學之綜合研究』、『洪範易知』、『易術概要』、その他、易学と星象学関連で二千余篇におよぶ執筆がある。かつて李登輝前台湾総統からの感謝状、レーガン米国前大統領就任式典への招待状なども受けている。

 

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