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3.星の分布
【紫微斗数】
天文学あるいは七政星学で用いられる恒星は、およそ72年に1度、2156年で一つの宮を移動します。また、太陽は1日1度、月は5日で二つの宮を移動します。そして「紫微斗数」の諸星の分布は、その北斗南斗の別や恒星あるいは神?に限らず、全ては年月日時に従って動いていきます。つまり、出生時が異なれば全く違う星盤が出来上がることになるのです。
【七星星学】
七政の星は、それが太陽系の天体であれ、二十八宿であれ、それは完全に天文学上の行度によって算出配置されます。つまり七星の星盤上に並んだ星象とは、天の象そのままだと言えるのです。
水金火木土の五星の軌道やその変化は、それぞれ全く異なり、さらに太陽や月も加われば大変な複雑さになるわけです。
(参考)
「太陽」:1日平均進度0°59′08″(冬至→1°0′08″、夏至→0°57′14″)。
「月」:恒星周期27.5日、朔望周期29.5日、最速進度15°20′、最遅進度11°50′。
「水星」:一周期88日、一日進度4°
「金星」:一周期255日、一日進度1°36′
「火星」:一周期687日、一日進度0°31′
「木星」:一周期12年、一日進度0°05′
「土星」:一周期30年、一日進度0°02′
太陽系の星の動きはかなり速いものですが、二十八宿の恒星は約72年に1°という動きです。よって、諸星があちこち動き回るということはありません。一時辰毎に各宮を飛び回る紫微斗数と、七政星学が大きく異なる点です。
4.行限の違い
【紫微斗数】
「八字(四柱推命)」の「大限」流年は、月柱を基準に干支を一つずつ動かし十年単位で運を論じます。そして「紫微斗数」は十年毎に一宮ずつ動かして運を論じます。その意味では、「八字」の行運方法と同じと言えます。紫微斗数には他にも、童限、倒限、竹羅三限、大小限などの「限歩法」がありますが、それらは主に「七政星学」に基づく変則的方法なのです。
【七政星学】
「七政」の行限は《百六大限》を主にします。それは、命宮15年・財帛宮10年・兄弟宮11年・田宅宮15年・子女宮8年・奴僕宮7年・夫妻宮11年、疾厄宮4年半・遷移宮4年半・官禄宮4年・福徳宮5年・相貌宮5年、合わせて100年半。つまり、100歳と6ヶ月で、これを「百六大限」と称するのです。
七政大限は、各宮の強弱によって行限の長短が違うということです。その他に、童限、倒限、竹羅三限、洞微飛限、大限、小限などの行限方法もあります。
5.命度方法
【紫微斗数】
「紫微斗数」の命宮推算は、ただその宮位を論じるもので、その度数までは論じません。これは推算できないと言うべきで、さらに個人の出生地経緯度も論じず、ただ「陽男陰女」「陰男陽女」を分類するだけです。同じ時刻に生まれた人同士であっても、その地に東西南北の差異があり、自然と運命にも差異が生まれるはずです。同様に、同じ場所で生まれた人同士であっても、時間が前後すれば、運命は自ずと異なるはずです。そう考えた場合、紫微斗数は、この点で現代命理学としては粗っぽ過ぎる面が見えるのです。
【七政星学】
実は、初期の「七政星学」の命宮推算は「紫微斗数」と同じく、ただ宮位を論じるのみで、経緯度も論じない精度的には問題のあるものだったのです。しかし、改良された現代式の「七政星学」は出生時刻や出生地経緯度に基づいて正確な命度を論じるようになっているのです。
「命宮」の推算は、《天上時間(生月)》だけでなく《地上時間(生時)》を組み合わせて導かれます。また「出生時間(経度時差)」だけでなく「出生地点(緯度緯差)」を加えることで、命宮の度分秒まで推算するものです。
<例>:1959年12月30日(陰暦十二月初一)午前9:45(巳刻) 出生地:北緯25度
天上時間06:32 12月=06時、冬至後8日目(一日進度4分)=32分
地上時間09:45 →06:32+09:45=15:77=16:17 (16:30雙魚座に入る)
16:17=うお座の前13分(4分=1度)→命度「寶瓶座」27度多
6.各宮意義
【紫微斗数】
「紫微斗数」の論命は、命宮や十二宮を配置し、諸星を並べ終わってから、はじめて行なえるものです。つまり、子・丑・寅・卯…などの「先天十二宮」と、命宮・兄弟宮・夫妻宮・子女宮…などの「後天十二宮」だけでは全く論断できないと言うことになります。
【七政星学】
「七政」あるいは星学による論命は、命宮など十二宮を並べ終われば、たとえ星を配置していなくても、この部分だけでの論命が可能です。つまり、白羊座(おひつじ座)・金牛座(おうし座)・雙子座(ふたご座)・巨蟹座(かに座)…などの「先天十二宮」で論じることが可能だからです。私は、この方が理があると考えています。なぜなら「先天宮」とは、個人の命の中で七割を占める不変の部分を示しているからです。人間は地球上で生活し、その地球は黄道上を運行しています。つまり、太陽やその他いかなる星もその黄道上の宮位を運行しているからに他ならないのです。
7.角度分析
【紫微斗数】
「紫微斗数」では、星同士の角度による作用は見ずに、申子辰、亥卯未、寅午戌、巳酉丑など十二宮位の三方関係を中心に論じます。
たとえば「子卯相刑」。確かに、宮の関係で言えば90°で、凶だと言えるかもしれませんが、厳密に星同士の関係を見た場合は、そうとも言えなくなります。それは、卯宮を黄道経度で言えば210〜239°、子宮は300〜329°です。仮に、210°の位置にある星Aと300°の位置にある星Bを見れば90°の凶角ですが、星Bが同じ子宮でも329°の位置にあった場合には、子宮と卯宮の関係は依然同じでも、星同士の関係は120°の吉角になるのです。
【七政星学】
「七政星学」では、星の正確な位置データ(度分秒)から他の星との角度を測ります。結果、さまざまな角度の作用が考慮されます。
8.結論
【紫微斗数】
洋の東西を含め、千数百種の論命の方法があり、それぞれ特色があります。また名称が違うにしろ、いわゆる「命宮」に相等するものがあるはずです。そして、その導き方は様々だと思います。しかし、論理的に考えて、結果としての「命宮」は一致すべきではないでしょうか。方法によって、一人の人物に対して、さまざまな「命宮」ができてしまうのは、問題だと思うのです。
前述の道蔵本の≪紫微斗数≫は、十八個の星を使った道家斗数です。現代の「十四飛星」あるいは「百星斗数」などは、その価値と信憑性を高める為に五代の陳搏(希夷)の高名を利用して、後代に作られたものです。陳希夷は道士として有名だったこともあり、神秘性も加わり、その後、誰もそれを更に改良発展させようと思わなくなってしまったのが問題だとも言えるでしょう。
論命の方法、またそれを扱う者は、進歩し続けねばならないのです。しかし、中国では古来より帝王による抑えつけもあり、さらに星度を測るのは難しく、星書や暦書も多くはなかったのです。結果、明朝末期以降、星学は衰退、星と命の全く異なるものに分化してしまったのです。八字や斗数など命理術を行なう者は暦法や星度を知らず、天文や暦法を学ぶ者は八字など命理の法を理解できない状況です。
古代に言う「星命学」とは≪星命合参≫、つまり星学と命学を相補させるものでした。星学を体とし、八字を輔とする方式です。しかし、もしも≪星命合一≫とできるなら、更なる精密さが生まれるはずです。命理を研究する者は、この方向を目指すべきだと思うのです。古代の命術を現代化させ、欠点を補い精緻にしていけば、より深く天命を悟り、自己の運命を改善することが可能になるはずです。
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