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方位術の本に、日本から見た海外の八方位マップが載っていることがある。ご覧になったことがあるだろうか。日本(東京)を中心に扇形に広がっていった分界線は、半球を越えたあたりから収束し始め、やがて南米ブエノスアイレスの沖合で点になる。この方位マップを見ていると、素朴な疑問が湧く。「方位は、最終的には点になるの?」という疑問だ。
これは方位が「閉じて」いる場合だが、逆に「開いて」いるとしたらどうだろう? その場合は、半球を越えても分界線は収束せずに広がり続け、やがては手巻き寿司のように地球を包み込んでしまう。はたして、方位は開いているのか、それとも閉じているのか?
結論からいうと、地球を半周以上も移動する場合、そもそも方位術を適用すること自体に無理がある。元々方位は「平面」を対象にしたもので、「球体」を対象にしたものではないからだ。それを地球規模で当てはめてしまうから、おかしなことになる。方位術の適用範囲は、自分が今いる場所を頂点とした半球の範囲内と考えればよいだろう。
それでは、リオデジャネイロにカーニバルを見に行くような場合、どうすればいいのか。この場合、方位術を使うには無理があるので、ほかの占いを使えばいいだけのことだ。移動するからといって、何が何でも方位術を使わなければならないことはない。通常は占卜を立てるのが妥当だ。楽しい旅行ができるかどうか、タロットや易で占ってみればいい。ホロスコープで9ハウスの状況を調べることもできる。
移住や海外赴任、留学の場合はどうだろうか? この場合は期間が長いので、占卜というわけにもいかない。命(めい)の占いのお世話になることになる。紫微斗数の場合だと「遷移宮」がある。文字どおり移動運をみる宮で、遠隔地に移動し、未知の環境に飛び込んでいって運勢を切り開くことができるかどうかを判断する。この宮が悪い場合、環境に適応できなかったり、遠隔地で災難にあったりしやすい。移動運は、ホロスコープの9ハウスでみることもできる。四柱推命の場合、移動運をみることはできないが、大運(たいうん)という運勢のトレンドをみる方法があるので、移住期間の運勢を調べて結論を出せばいい。要約すると、次の二点になる。
@出生図における移動運を調べる
A移住期間の運勢を調べる
ただ、ここには「方位」の概念はまったく入ってこない。留学先として、カナダを選ぼうがオーストラリアを選ぼうが同じことになる。こうした点に応えることができるのが、占星術におけるリロケーションというテクニックだ。占星術では、12ハウスを出すために緯度経度(出生地)のデータが必要だが、このデータを移住先の緯度経度に書き換えてしまうという技法である。つまり、出生図の天体の配置は同じでも、新しい土地での新しいハウスが作られることになる。こうして、ホロスコープが有利になる場所を選ぶことができる。同じ瞬間に生を受けても、緯度経度によって出生図の意味は異なってくる。一種の地球規模の方位術である。リロケーションには年運を絡めたソーラーリターンを使うこともあるが、話が複雑になるので、この程度にとどめておこう。
いずれにしても、長期にわたる地球規模での移動の場合、リロケーションというテクニックがあることは、頭に入れておきたい。反対に、このリロケーション、東京23区内での引っ越しなどにはまったく使えない。少々の移動では、ホロスコープが微動だにしないからだ。都内での移転、国内での移転の場合、従来の方位術によるのがよいだろう。
このように、海外に移動する場合、無理をして「方位」を使う必要はない。ほかにも方法論はあるので、その目的に最も適したやり方を選ぶことが大事である。
ところで――「あちこち方位」という便利サイトがあるので、ご紹介しておこう。リンクページにも載せたので、そちらから飛ぶこともできる。
「あちこち方位」http://h200.com/houi/
最初に画面中央に自宅を設定しておけば、八方位が一目瞭然。しかも、30度、60度、45度、偏角ありなし、球面三角法ありなし、などを選べるようになっている。Googleの地図を使用しているため、世界地図から住宅地図まで縮尺も自由自在。方位好きの人は一度アクセスしてみるとよいだろう。
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